【MONDO 映画ポスターアートの最前線】アフター6ジャンクションで紹介された映画アートポスターをまとめて紹介

オルタナティブポスター情報

2月16日のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の冒頭で、ライムスター宇多丸氏がMONDO展こと『MONDO 映画ポスターアートの最前線』を紹介していました。
放送を聞いたリスナーの方々だと思うのですが、おかげさまで本ブログのアクセスが尋常じゃない数になっております。
※「MONDO ポスター」と検索しても、上位表示はMONDO展のパブリシティ系のページが多いため、リリース情報中心の本ブログにアクセスが来ただけだと思いますが……。

そこで本投稿では、番組内で紹介されていたアートポスターの数々をまとめて紹介したいと思います。

<引用元 : MONDO

Olly Moss氏による『ブルース・ブラザーズ』

『ブルース・ブラザース』
The Blues Brothers

by Olly Moss
2010年
18″ x 24″
75枚

初期のMONDOに数多くの名作を残しているアーチストOlly Moss氏の伝説的な作品です。
2010年8月13日 シカゴのジョリエット刑務所にて開催された、Alamo Drafthouse主催の上映イベントRolling Road Show Tourために作られたポスターです。
※映画本編のロケ地でもある、ジョリエット刑務所で『ブルース・ブラザース』を上映するという粋なイベントでした。

Todd Slater氏による『未知との遭遇』

『未知との遭遇』
Close Encounters of the Third Kind
by Todd Slater
2011年
24″ x 36″
300枚

日本映画アーカイブの展示で実物を初めて見ましたが、Todd Slater氏渾身のドットで描かれたマザーシップの美しさ、アート全体を締める青いメタリックインクの渋い使い方に驚きました。
やっぱり実物見た方がいいですね。

Marc Aspinall氏による『グッドフェローズ』

『グッドフェローズ』
Goodfellas

by Marc Aspinall
2017年
24″ x 36″
225枚

宇多丸氏は「なぜこのシーンが……」とおっしゃっていた、Marc Aspinall氏による『グッドフェローズ』。
分かりやすさを優先する、配給会社制作の宣伝用ポスターとは異なり、大胆な構図やモチーフをアーチストのセンスでまとめることが出来るのが、オルタナティブポスターとも言われる所以です。素晴らしい。
2017年にMONDO主催のアートコンベンション『MONDO-CON4』でリリースされました。

Martin Ansin氏による『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』

2014年に開催された最初の『MONDO-CON』にて、映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』がイベント上映された際に販売されたポスターです。
国立映画アーカイブに飾られたものは超レアなフォイルバリアント(フォイル紙にスクリーン印刷したバージョン)でした。
Martin Ansin氏による、密度の濃いアートの構成はもちろん、メタリックかつ複雑な色の変化を魅せるフォイル部分(上の画像の主に白い部分)の美しさは特筆すべきものがあります。
2014年当時のMONDOのCEO、Justin Ishmael氏が同年のNO.1に選んだ作品です。

フォイルバリアントは『MONDO-CON』の会場で即ソールドアウトし、プレミア化。
ebayでは20~25万円程度で取引されています。
オンラインではこちらのレギュラーが少数販売されました。
バリアントのような華やかさは控えめですが、自分のコレクションの中でもお気に入りの1枚です。

Jay Shaw氏による『ロッキー3』

『ロッキー3』
Rocky III

by Jay Shaw
2012年
18″ x 24″
75枚

虎の口から飛び出た腕が強烈な印象を残す『ロッキー3』はMONDOのグラフィックデザイン番長こと、Jay Shaw氏の作品です。
(一時期はMONDOのブランドディレクターを務めた方でもあります)
同氏が手がけるユニークなデザインの数々はリンク先のサイトでご覧ください。
写真、イラスト、タイポグラフィーなど、作品ごとに異なる素材を中心に据えたグラフィックデザインはどれも素晴らしいものばかりです。

この作品は、Alamo Drafthouseが2012年に企画した特集上映”Summer of ‘82″に組み込まれた『ロッキー3』のために制作されました。
※ちなみに他の上映作品は『遊星からの物体X』『ポルターガイスト』『マッドマックス2』と1982年を彩った作品たちでした。

Laurent Durieux氏による『パルプ・フィクション』

『パルプ・フィクション』
Pulp Fiction

by Laurent Durieux
2014年
36″ x 24″
2566枚

2566枚と他のMONDOポスターとは一線を画す印刷枚数の『パルプ・フィクション』。
この作品は受注生産でした。
2014年のブラックフライデーセールの目玉としてリリースされ、72時間以内に注文すれば購入できた作品です。
映画本編のモチーフをあちこちに詰め込んだ構成も面白いのですが、
Laurent Durieux氏の作風の一つである「ハッチングによる色調表現」にも注目していただきたいです。
このイラストレーションの空や建物、車、路面、人物に至るまで、グラデーションは線の積み重ねで描かれています。
その細やかな仕事の素晴らしさは、実物を見ないと理解したとは言えません。
自宅に飾っていますが、見るたびに発見がある作品です。

Laurent Durieux氏による『鳥』

『鳥』
The Birds (Here Comes Trouble)

by Laurent Durieux
2014年
24″ x 36″
375枚

『パルプ・フィクション』に続いて、Laurent Durieux氏の作品です。
まぁ、この荒い画像では何とも表現しづらいですが、このポスターもハッチングが全面に使われており、独特の雰囲気を醸し出しています。
宇多丸氏も触れてましたが、影にさりげなく(とはいえ、わかりやすく)映画本編のモチーフである鳥のシルエットを組み込むデザインの美しさ……。
ぜひ、会場でご覧ください。

宇多丸氏 お気に入りの『グランド・ブダペスト・ホテル』

こちらは先週(2月11日)にリリースされたばかりの作品です。
予想通り、あっという間に売り切れました。
紹介についてはこちらをご覧ください。

最近、宇多丸氏が購入した『スーパー』と『バーバリアン怪奇映画特殊音響効果製作所』

こちらは宇多丸氏が最近購入したと話していたアートポスターです。
どちらもまだ入手可能なので、興味のある方は手にしてみてはいかがでしょうか。

『スーパー!』
SUPER

by Leslie Herman
18″ x 24″ , 150部
US$50(送料US$31.23)
『バーバリアン怪奇映画特殊音響効果製作所』
BERBERIAN SOUND STUDIO

by Aaron Denton

18″ x 24″ , 145部
US$50(送料US$31.23)

両作品の紹介はこちらをご覧ください。
どちらもIFCフィルムズ20周年記念プロジェクトで制作された作品です。

はい、長くなりましたが、「アフター6ジャンクション」で紹介されたオルタナティブポスターのまとめでした。
MONDOのポスターの魅力は色々ありますが、権利元が承認したオフィシャルアイテムでありながら、アートとしての冒険を常に続けているところだと、個人的には思います。
興味がある方はぜひ1枚、手にしてみてください。

MONDOのオフィシャルサイトはこちらから。

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図録的な画集「THE ART OF MONDO」&「MONDO 映画ポスターアート集」

最後になりますが、2017年に発売されたMONDOのアートポスターをまとめた画集「THE ART OF MONDO」、並びにその日本語版「MONDO 映画ポスターアート集」を紹介しておきます。
『MONDO 映画ポスターアートの最前線』の図録は発行されていませんが、入場時にもらえる豪華な冊子と合わせてご覧いただけると理解がより深まると思います。
※日本版は絶版状態、原著は少数ながら版を重ねているようです。
下の解説にも書いてますが、原著の方が判型も大きく、厚手の紙を使っているのでより満足感が高いと思います。


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