はい、アートポスター集めている人ならみんな大好きな、Tyler Stout氏の新作が発表になりました。
今回のモチーフはジョン・カーペンター監督によるホラー映画の名作『ハロウィン』。
レギュラーは受注生産です!
24時間限定受注生産の『ハロウィン』レギュラー
<情報元>
Exclusive: John Carpenter ‘Halloween’ Poster by Tyler Stout and Grey Matter Art
450部限定、ゴールドインクを使用したバリアント
色数は少ないものの、いつもながらの一見豪快に見えるのに、緻密な組み立てのデザインがいいですねぇ。
レギュラーのオレンジと黒の組み合わせには溜息が出ます……。
ゴールドメタリックをあしらったバリアントは、より硬質な印象でこちらも素晴らしいですね。
レギュラーについては受注生産なので安心できますが、バリアントは現地16日の営業時間中にドロップするとのこと。
前日、Babymetalのライブなんですが、どうしたら良いでしょうか……(完徹)。
Tyler Stout氏の新作リリースはお祭りなので、参加するしかないですね。
今から胃がキリキリしてます(笑)
Tyler Stout氏、久々のロングインタビュー動画とまとめ
『ハロウィン』のリリースに際して、ギークサイト・COLLIDERがTyler Stout氏にロングインタビューを行いました。
57分に及ぶインタビューはコチラ。
以下、インタビューの内容の抜粋したものです。
意訳でまとめております。
細かいニュアンスが違っている場合があるので、違和感感じた方は動画でご確認ください。
・『ニューヨーク1997』のアートポスターを制作したいと願っている。
・キャリア初期はコンサートポスターのようなものが多かった。
締め切りがタイトだが、それが創作の原動力になっていた。
・延期になっている『マッドマックス 怒りのデスロード』の上映イベント(ニューヨーク)、
それに伴うアートポスターのプロジェクトは継続中。
※作業は終わっている様子。
・MONDOの『スターウォーズ』は1作につき1ヶ月程度かかっている。
通常の締め切りは数週間。
・これまでの最速の仕事はMONDOの『アイアンマン2』。
1週間で制作した。
・印刷の最短記録は『AKIRA』。
木曜日の上映会のためにその週の頭に1日で印刷している。
※会話上では週末の上映会と話していますが、『AKIRA』の上映会は2011年4月11日(木)。
・MONDOの『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は権利上の問題が起きたため、
承認まで1年かかっている。
フリーランスの立場としては青天の霹靂。
ステッカーセールなど別のプロジェクトが必要だった。
※今作以降、MONDOと仕事していない原因がこれだったりして……。
・(オリジナルアートについて)
いくつか手放したものがあるが、オリジナルを売るのは好きではない。
今後、これまでの作品を本にまとめるかもしれない。
・(NFTについて)
大金は稼げそうだが、まだ様子見。
検討すべきことがクリアになれば参入するかも。
・(『ハロウィン』アートポスターについて)
gray matter artが権利を入手しているのを知っており、昨年のハロウィンシーズンにリリースの可能性があったが実現せず。
ようやくリリースにこぎ着けた。
・基本的に自身のアートポスターで好きなのはいつもレギュラー版。
印刷枚数が多く、それがモチベーションになっている部分も。
メタリックインクを使って大量に印刷するのもいいが、手頃な価格にはならない。
・バリアントは気に入ったもの(レギュラー)のバリエーション。
金と銀とグレーを並べることが出来、それらはとても相性がいい。
でも、バリアントにこだわりはない。お気に入りのひとつ。
・時間をかけて好みが変化する場合もある。
MONDOの『アベンジャーズ』はバリアントの方が今ではお気に入り。
レギュラーは色数が多く感じる。
でも、その時のベスト。
・将来的には多くの人が入手できるように(オフィシャルサイトで)受注生産を増やしたいが、
パートナーとコントロールできる範囲で作りたい。
今年は2回やるかも。
・(過去のアートポスターの復刻について)
古いポスターから要素を取り出して、ステッカーにすることはあるが、
ポスターを復刻することはできない。
限定の商品として購入したユーザー全てに再販の許可を得るべきだと思う。
再販はポスターの収集性を下げるようなもの。
お金を払った人たちがいることを尊重しなくては。
権利の問題もある。確認するだけでも大変な作業になるのでは。
・(メタルポスターが最近作られなくなったことについて)
コストがかかることに加え、スクリーン印刷の範疇を超えており、標識を作ることに近い。
インクも全く異なるものを使用するが、とても有害。
防毒マスクをつけて作業し、その間は他の印刷が出来ない。
制作上の問題がいくつもある。
※2011~2017年頃まで他のアーチストでも見かけたメタルバリアント(アルミ板に印刷したもの)を最近見ない理由がここで判明。
・所有する古いポスターを必要に応じて売ることもあるが、
新しいものを作ることと、それによってお金を稼ぐことのバランスを取るようにしている。
・フランク・ロイド・ライトの『落水荘』は完成したが、未発表で終わった。
・途中でプロジェクトが凍結され、未発表となった作品は20点ないくらい。
・MONDOと『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を創る準備をしていたが、
一夜にしてディズニーから覆された。
・昨年末行ったスニーカー販売はとてもエキサイティングだったが、たくさんのお金が出て行った。
今後展開があるとすれば、他の会社と提携する方がいいと思う。
・マーベルと仕事は素晴らしいが、やりとりが煩雑……。
・生活のため、そして楽しむためにやっているということを理解してもらいたい。
そして、人々が楽しんでくれることを願っている。
この他にも、最近興味を持っているレーザー加工による木を使った作品や、インクの経年変化で印刷物がヨレて波うつ可能性の危惧、SNSとの距離感など興味深い話が多数ありました。
アート業界での自らの影響力を重々承知しているようで、権利元への配慮や安易にNFTに向かわない姿勢はさすがですね。
ファンとしては作品買って応援するしかないでしょう。
バリアント買えますように……。
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